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管理職になる前に気づきたい、不機嫌マネジメントという「無意識のハラスメント」

管理職手前の会社員に向けて、不機嫌を使った無意識のマネジメントがハラスメントに
つながる理由を解説。まだ若手のつもりでいる人ほど気づきにくい立場の変化と
周囲への影響をやさしく解説します。


管理職になる前の人が陥りやすい「まだ若手」という感覚

仕事にも慣れ、任される業務の幅も広がった。
後輩や若手メンバーが増え、チームの中で
中心的な役割を担う場面も多くなってきた。

それでも
「まだ現場のプレイヤー」
「管理職というほど偉くなったわけではない」
そんな認識をお持ちではないでしょうか。

少し前まで自分も同じ立場だった。
メンバーの気持ちは分かっているつもりだし
威圧的な上司にはなりたくない。

その思い自体は、とても健全で大切なものです。

一方で、少しずつ変わってきていることがあります。
それが、周囲から見たあなたの立場です。

あなた自身がどう感じているかとは別に
メンバーにとっては
・仕事の進め方を決める人
・評価や役割分担に影響する人
・指示に従わなければならない人

そんな存在になりつつあります。

この「あなたの認識」と「周囲からの見え方」
のズレは、意識しないと気づきにくいものです。

そして、このズレこそが無意識のハラスメント
が生まれる土台になりかねません。


不機嫌は知らないうちにマネジメント手段になっている

責任が増えれば、仕事は忙しくなります。
余裕がなくなる日があっても、不思議ではありません。

・説明、返事が短くなる
・対面しているときの表情が硬くなる
・話しかける声のトーンが低くなる

といった不機嫌が起きるのも、無理はありません。

あなたはメンバーに対して
「怒っているわけじゃない」
「業務に集中していただけ」
「少し余裕がなかっただけ」
かもしれません。

しかし、周囲はとても敏感です。

「今はあなたに話しかけない方がいいな」
「これ以上あなたに聞くと機嫌を悪くしそう」
「察してほしいオーラを出しているよね」

すると、あなたの不機嫌を感じたメンバーは
行動を変え始めます。

・あなたの前では黙っておこう
・指示に黙って従おう
・質問はしない、意見は言わない

あなたが意図せず出している不機嫌を、メンバーが
がくみ取り、場は静まり、物事が進んでいく。

この状態は、一見すると効率的に見えます。
しかしその裏で、信頼や安心感は少しずつ削られていきます。

そして気づかないうちに、
不機嫌はマネジメントの手段になり始めます。

だからこそ、不機嫌は
自分が思っている以上に影響力を持ってしまう
という点に意識を向けておきたいところです。

「わかっているつもり」が無意識のハラスメントを生む理由

・年齢も近い
・同じような経験をしてきた
・少し前まで同じ立場だった

そうした背景があるからこそ、
「メンバーの気持ちが分かっている」という感覚をお持ちでしょう。

しかし、あなたのわかっている
メンバーと一致してわかりあっているとは限りません。

立場が変わると、同じ言葉や態度でも
相手に与える影響は大きく変わります。

「これくらい普通だよね」
「まだまだがんばれるはず」
「理解できるよね」

これらのあなたの考えが、不機嫌なマネジメントで発せられていたら
言う側にとっては軽いつもりでも
受け取る側にはプレッシャーとなるでしょう。

ハラスメントが問題になるとき、
重要なのは「意図」ではなく「影響」です。
相手に与える影響は現実的であり
職場の雰囲気や人間関係に
深刻な影響を与える可能性があります。

あなたがどう思っているかよりも、
相手がどう感じたか、どう行動を変えたかが重要になります。

・相談しなくなってきた
・ミスを隠すようになった
・質問も意見も言わなくなった

もしそんな変化がメンバーに起きているなら、
不機嫌でマネジメントしていないか思い返してください。
無意識のうちに、ハラスメントの入り口に立っているサインかもしれません。


不機嫌を使わないマネジメントへ切り替えるためにできること

大切なのは、
自分がすでに影響力のある立場にいることを認識することです。

あなたがまだプレイヤーであることと
メンバーから上司として見られていることは
同時に起こるからです。

そして、不機嫌になっているときほど
次の問いを自分に向けてみてください。

  • 今の態度は、どう受け取られるだろうか
  • 空気で伝えようとしていないだろうか
  • 言葉にすれば済むことを面倒くさがり、省いていないだろうか

「そんなことを言われても私には余裕がない」
そんな時はメンバーに提案してみましょう。

「いまは立て込んでいるので、30分後に話せると助かります」
「今日は時間がないので、明日確認させてほしいです」
「説明時間が十分とれない代わりに、質問があればメールをください」

メンバーの気持ちをよくわかっているあなたには
必要な提案がきっとできるはずです。

こうした一言があるだけで、
不機嫌は「圧」ではなく、メンバーとの「共有」に変わるでしょう。


気づけたこと自体が、管理職としての第一歩

この記事をここまで読んでいるあなたは、
「自分は大丈夫だろうか」と立ち止まって考えられる人です。

それは、管理職としてとても大切な資質です。

誰でも余裕を失う日はあります。

大切なのは、不機嫌を当たり前のマネジメントにしないこと。
自分の態度を振り返り、不機嫌のマネジメントに
気づいたらこまめに修正することです。

その積み重ねが、ハラスメントを防ぎ
安心して声を出せるあなたのチームづくりにつながることでしょう。



~ハラスメントについてもっと知りたい~
厚生労働省のポータルタイト「明るい職場応援団」


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